子育て笑い話

長男(うしゃお)と長女(うしゃこ)の二人を育児中の主婦です。子育ての日常や豆知識、子育てマンガなどを綴っていきます。

幼児教育無償化に騙されるな!私立幼稚園は損になる場合も

いよいよ10月から幼児教育の無償化が始まります。

しかし「わーい、お金がかからなくなるー♪」と手放しで喜ぶわけにはいきません。

特に幼稚園の場合は無償化でもなんでもなく、今までの補助金が名前を変えただけです。

しかも年収や子供の数によっては今までよりも損になることも!

ではどういったケースの人が無償化で損になるのか、具体的に見ていきましょう。

 

 

 そもそも幼児教育の無償化とはなんなのか?

すでに皆さまご承知のことと思いますが、まずは幼児教育の無償化とはどんなものなのかを見ていきましょう。

 

幼児教育の無償化は少子化対策の一環で、子育て世代を応援し、社会保障を全体型へと根本的に変えるために取り組まれる政策です。

早い話「子育て家庭を応援するから、頑張って子供を育ててね!」といったところでしょうか。

しかし、この「無償化」という名前、はっきり言って詐欺ですよ。

だって本当に無償になるのは保育園だけなんですから!

(障害児の発達支援も無償になりますが、ややこしくなるので今回は保育園と幼稚園に限ってお話させていただきます)

幼稚園は親が働いていようがいまいが、一律25700円まで。

なんじゃそりゃ!

これ聞いた時「全然無償じゃないじゃん!」と思いっきり突っ込みましたよ。

私立幼稚園、月謝がいくらかかるか知っていますか?

もちろん幼稚園によって差はありますが、だいたい3~4万くらいです。

これには給食費や冷暖房代、バス費用なども含まれています。

うちの子供が通っている幼稚園は高いほうで、給食費など諸々全部こめて4万越します。

かなりの出費です。

まあ、この4万が半額以下になるんだからまだいっか・・・、と一度は納得しかけたのですが、これがとんでもない罠。

私の頭によぎったのがこれまでもらっていた幼稚園の補助金です。

「あれ?あの補助金はどうなるんだ?」とずっと疑問だったのですが、ようやく市からのお知らせがきて疑問がとけました。

そしてうすうす感じていたことが現実となりました。

 

今までの私立幼稚園の補助金はなくなる

今まで私立幼稚園にお子さんを通わせていた方ならわかると思いますが、私立幼稚園に子供を通わせていると、自治体から補助金が出ます。

それが以下のふたつ。

 

・私立幼稚園就園奨励費補助金

・私立幼稚園等園児保護者補助金

 

なんか似通った名前でどっちがどっちだかよくわかりませんが、年度末に10万以上ガーンと振り込まれる補助金と、年に数回ちょこちょこと振り込まれる補助金のふたつがありました。

毎月幼稚園に月謝は支払っていたのですが、補助金としてまとまった額が返ってくるのでとても助かっていました。

そしてその申請書が先ごろ市から届いたのですが、そこにこんな記載が。

 

・私立幼稚園就園奨励費補助金

令和2年1月末に4月から9月分を、保護者の指定した口座に振り込みます。

・私立幼稚園等園児保護者補助金

令和元年10月末に4月から9月分を、保護者の指定いた口座に振り込みます。

 

というわけで、無償化が始まる前までの分だけ出します、ということですね。

わかってはいましたよ。

わかっていはいましたけど、そうすると我が家の場合、損をすることになるんですよね。

そこでようやく無償化によって損をする場合の話に入ることになります。

 

無償化で損をするケースとは?

まず幼稚園の補助金自治体にもよって金額は変わりますが、その中でもまた所得や子供の数によって金額が変わってきます。

私の住んでいる市の場合はこんな感じです。

 

就園奨励費補助金(年額)

  第1子 *第2子 *第3子以降
生活保護 308000円 308000円 308000円
非課税 272000円 308000円 308000円
所得割額77100円以下 187200円 247000円 308000円
所得割額211200円以下 62200円 185000円 308000円
所得割額211200円超 不交付 154000円 308000円

*小学3年生までの兄弟、姉妹がいる場合。所得割額が77100円以下の場合は年齢制限なし

 

私立幼稚園等園児保護者補助金(月額)

  第1子 第2子以降
生活保護及び非課税 9400円 9400円
所得割額が77100円以下 7700円 9400円
所得割額が211200円以下 6700円 8800円
所得割額が256300円以下 5600円 8200円
所得割額が256300円以下 2900円 2900円


 見ての通り、所得の低い人や子供がたくさんいる人にはたくさんの補助金が、所得の高い人や子供が少ない人には少ない補助金が支払われることになります。 

でもこれはある意味公平だと思います。

しかし、新たに始まる無償化は「ある意味公平」を「見た目だけ完全に公平」へと変えました。

そう、所得に関係なく、子供の数に関係なくみーんな一律月額25700円しかくれないんです!

これを頭にいれた上でもう一度上の表を見てください。

上の表のほうの数字に色付けがしてありますよね。

これは両方の補助金を合計して月割にした場合、無償化でもらえる25700円より損するか得するかを計算した結果です。

青い数字のところにあてはまる人が以前の補助金よりも得をする人、赤い数字のところにあてはまる人が以前の補助金より損をする人です。

結果、損をする人は圧倒的に所得が低い&子供がたくさんいる人というのがわかります。

逆でしょ!

少子化対策でしょ!?なんで子だくさんの人が損するの!?

逆に産まなくなるわ!!

知り合いの3人の子持ちのお母さんはため息をついていましたよ。

来年第3子が幼稚園の入るので、今までの補助金なら30万以上入ってきたはずなんです。

月額に直せばそれだけですでに25000円。

それプラス月額1万近くの補助金も入ってくるはずだったので、月額3万以上もらえていたはずなんです。

それが減ってしまったんですから、そりゃため息もつきたくなりますよね。

我が家の場合ももれなく損するケースに入ってしまいました。

 

 

共働きは税金たくさん払ってくれてるから保育園は無償、幼稚園は親が働いていないから少しくらい払ってね、と言われているようでなんだかとっても不快です。

幼稚園でも労働認定がおりれば預かり保育には11300円まで補助金が出ますが、でも月額の補助金が変わるわけではありません。

幼稚園でも働いているお母さんはたくさんいるのに、どうして幼稚園だけこんなに冷遇されるのでしょうか?

どうしても保育園が優先で幼稚園は後回しにされる現状に、子供の園の園長先生も嘆いておりました。

ただでさえどんどん幼稚園人口が減って子供が保育園に流れていってしまっているのに、これではさらに幼稚園人口が減ってしまいそうですね。

 

〈追記〉

一学期最後の懇談会で園長先生よりお話があり、どうやら東京都はプラスで月に1800円の補助金を、市のほうでは3000円程度の補助金を考えているそうです。

我が家の場合、これでようやく以前の補助金と並んだ感じです。

相変わらず3人の子供がいる家庭は損なままですけどね(-_- )

 

〈追記2〉

市のほうからようやく正式に無償化に関する補助金制度の決定通知がきました。

それによると、やっぱり今までの私立幼稚園就園奨励補助金は廃止となるようです。

が、意外だったのが「保護者負担軽減補助金はこれまでどおり実施いたします」の言葉。

この保護者負担軽減補助金というのが「私立幼稚園等園児保護者補助金」のことであればこれで我が家もようやく今までの補助金よりもプラスとなります。

3人目がいる家族はようやくトントン、といったところでしょうか。

なんにせよ「今までよりもものすごく損!!」という人はなくなりそうです。

ありがとう、市の支援課さん。

幼稚園の月謝がこれで無償になるかどうかは、あとはもう幼稚園の月謝次第でしょう。

他の自治体はどうなのかはわかりませんが、どうせ消費税が増税からは逃れられないのだから、今までよりも恩恵を受ける人が増えてほしいと思っています。