藤井聡太7段(2019年6月現在)の活躍により、一気にわきあがった将棋ブーム。
連日テレビで流れる藤井聡太さんの姿に、「うちの子も将棋をやらせてこんなしっかりした子に育ってほしい!」なんて願う人も多いのではないでしょうか。
うちのうしゃおくんが将棋を始めたのは将棋フィーバーが始まる半年ほど前で、ちょうど将棋教室に通おうかと思った頃には将棋フィーバーで将棋教室が満室になってしまっていました(^^;)
しかし将棋教室のほうでもこの流行にのって教室を増やしてくれたため、なんとか通うことができました。
そんな今や子供の習い事でも人気になった将棋ですが、そもそも子供にどうやって将棋を教えていいのか、なんて悩みませんか?
そこで今回は親も子供もまったく将棋を知らない状態からの将棋の教え方や、将棋をやる上でのメリットなどについて、体験談をもとにまとめてみたいと思います。
子供への将棋の教え方
将棋を始める年齢は様々ですが、早くてもだいたい年中さんくらいからが一般的です。
年少さんあたりだとまだ理解が難しいです。
年中さんでも子供によっては理解度に差が出るでしょう。
年長さんになればだいたいの子供が将棋のルールを理解できるようになります。
では具体的な教え方を見ていきましょう。
まずは駒の動かし方から始めよう
将棋を始める上で欠かせないのが「駒の動き」です。
将棋の駒には「歩は前にひとマスだけ」「飛車は駒の前後左右のマスならどこまでも」というように、それぞれ動ける範囲が決まっています。
まずはその動かし方を覚えないと何もできません。
将棋教室も最近はまったくの初心者に教えてくれるところも増えていますが、やはり最低条件が「駒の動かし方を知っている」というところがほとんどです。
まずは親子揃って駒の動かし方を学びましょう。
うしゃおくんはこの将棋駒を使って駒の動きを覚えました。
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この駒はどこへ動けるのかが矢印で駒に書いてあるので、矢印を見ながら動かせば将棋を指せます。
また実際に将棋を指しながら動きを確認できるので、本などで読んで勉強するよりもすぐに覚えられるようになります。
またおすすめなのが、将棋盤が半分に折れて中に駒を収納できるところです。
しまう時に場所をとらなくてすみます。
もうひとつおすすめポイントは、将棋盤はこの先も長く使えるというところです。
うちのうしゃおくんも駒は動き方を覚えてから普通の駒に変えましたが、将棋盤だけはいまだにこの将棋盤を使い続けています。
基本的なルールを教える
駒の動かし方がわかったら、将棋の基本的なルールを教えてあげます。
・相手と交互に一回ずつ駒を動かすこと。
・相手の王様をとったら勝ち。
・相手の陣地に入ったら駒裏返して成る。(金と王以外)
・相手の駒と同じ場所へ駒を動かしたら、相手の駒を取って自分の持ち駒にできる。
まずはこのくらいのルールがわかっていればゲームができます。
「相手の王様をとったら勝ち」と書きましたが、実際の勝負では王様を取られる前に自分で「負けました」と言って投了するのが一般的です。
自分の駒をどう動かしても次で必ず王様を取られてしまう状態を「詰み」と言いますが、詰みになるか「何手か先で必ず詰みになる」とわかった時点で将棋の勝負はつきます。
ただはじめたばかりの子にそれは難しいので、まずはわかりやすく「王様を取られたら負け」と教えてあげていいでしょう。
やっていくうちにだんだんと「詰み」の状態も理解できるようになっていきます。
基本的な違反行為を教える
将棋にも「やってはいけない」違反行為があります。
これらをやってしまえばその時点で負けになります。
違反行為にも色々ありますが、まず子供に教えといたほうがいいのが「二歩」と「打ち歩詰め」です。
二歩は最もやりやすい違反行為で、同じ列の中に歩を二枚置いてしまうことです。
歩は一列に一枚しか置けないので、相手の歩を取って使う時などは気を付けましょう。
もうひとつも歩の違反行為ですが、持ち駒の歩を使って王を「詰み」の状態にするのは違反行為です。
ただし盤上にある歩を使っての詰みは違反ではありません。
まずは実戦で少しずつ
駒の動かし方と基本ルールがわかったら、とりあえずはめちゃめちゃでもいいので実際にゲームを楽しみましょう。
最初はよくわからないので、子供はひたすら相手の駒を取ろうとしたり、ひたすら駒を成ろうとしたりします。
うしゃおくんも最初は「全部の駒を成らせる!」と燃えていて、王手なんか二の次でした(笑)
そんなうしゃおくんですが、今では将棋大会で何回も優勝したりして、今では私なんかまったくかなわない腕前です。
なので、最初はそんな状態でも心配することはまったくありません。
逆に最初から「ここはこうするんだよ!」「それじゃ勝てないよ!」みたいにスパルタでしてしまうと、多分すぐに将棋を嫌いになります。
まずは子供が好きなように楽しく将棋をさせてあげましょう。
違反行為も最初に教えるよりは、実戦の中で「あ、それはルール違反なんだって」と教えてあげたほうが子供の理解もしやすくなります。
もし子供がある程度文字が読める年齢だったら、漫画で教えてくれる将棋の本などを読ませてあげるのもいいかもしれませんね。
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将棋教室と道場の違い
子供がある程度将棋が指せるようになってくると、将棋を教えてくれる場所を探すようになるでしょう。
そこでネットで探すと出てくるのが「将棋教室」と「将棋道場」です。
実はこのふたつの性質は全然違います。
実際にどう違うのか、このふたつの違いを見てみましょう。
将棋教室
将棋教室とはその名の通り、将棋を教えてくれる教室です。
講師がいて、決まった日時に教室に通って将棋を習うことができます。
金額は教室によってもだいぶ変わってきますが、だいたい月2回で3千円~5千円くらいです。
月4回になればもちろんその倍になります。
将棋教室にもレベルが色々あって、初心者向けのものから中級者向けのもの、初段以上の段位を持っている子供向けのものまであります。
まずはその教室が初心者に対応しているか、必ず確認しましょう。
講師もプロ棋士が教えてくれる教室もあれば、指導棋士といってプロではないけれど途中までプロを目指していたような人たちが教えてくれる教室もあります。
たいていの教室は指導棋士が一般的ですが、プロ棋士が教えてくれる教室も探せばあります。
ただ最初は講師のレベルよりは「講師との相性」のほうが大事になってくるでしょう。
やっぱり先生が好きでないと教室も続きませんからね。
将棋道場
こちらは将棋教室とは違って、誰でも好きな時に好きに将棋が指せる場所です。
もちろん子供だけでなく大人もたくさんいます。
と言うか、大人のほうが多い道場のほうが一般的でしょう。
そのため、中には禁煙でない道場もあってタバコの煙がもくもく、なんてところも少なくありません。
行く場合は子供の割合が多い道場を選んだほうが子供もやりやすいでしょう。
道場では棋力(将棋の強さ)によって相手が駒を減らしてくれたりとハンデをつけてくれます。
最初に棋力を聞かれたり、わからない場合はそこで何局か指して棋力を認定されます。
あとは席主の人が組み合わせを決めてくれるので、呼ばれたら将棋を指す、の繰り返しになります。
1局だけで帰ってもいいし、一日中指していても大丈夫です。
ただし料金は1局だけだろうが何局やろうが同金額なので、たくさん指したほうがお得はお得です。
値段は子供だと500円~1000円の間くらいのところが多いです。
将棋教室も将棋道場も日本将棋連盟のHPにたくさん載っているので、一度目を通してみてください。
将棋のメリットは本当なのか!?息子の場合
将棋を習うことで色々なメリットが得られる、というのはよく聞く話です。
しかしそれらのメリットは本当なのか、気になりますよね。
そこで、実際に将棋を習い始めて2年ちょいになるうしゃおくんの場合、将棋を習ってどうだったのかをまとめてみたいと思います。
頭が良くなる
将棋を習っているというと必ず言われるのが「頭良くなるんでしょ!?」ということです。
確かに将棋って頭が良くなるイメージがありますよね。
でも実際、将棋と学力は直接的にはつながりません。
だっていくら将棋の勉強をしたって算数や国語の勉強をまったくしないのでは、学力があがるわけありませんよね。
ただ将棋というのは自分の指す手や相手の指す手を何手も先まで読むゲームなので、そういった意味では脳はフル回転しているはずです。
また将棋は理論的思考に基づいてゲームを進めていくので、左脳も発達するでしょう。
しかしいくら脳が発達したところで勉強をしなければ学力にはつながりません。
そのあたりは親の努力次第、といったところでしょうか。
ところでうしゃおくんはどうなのかと言えば、成績はとてもいいです。
ただ学力自体は将棋をする前から良かったので、それが将棋のおかげかどうかははっきりとはわかりません。
集中力がつく
これもよく言われていることですね。
確かに将棋を指している子たちの集中力はものすごいです。
幼稚園から小学1年生くらいの子でも、一日に何局も集中して指しています。
ただもちろん、将棋教室などであまり集中できない子もいます。
そしてそういった子はたいてい辞めていきます。
つまり、将棋をずっと集中してできる子はそれだけ「将棋が好き」だということで、集中できなかった子は将棋にあまり興味がなかった、ということなのです。
どの子供も自分の好きなことへはものすごい集中力を発揮しますよね。
それと同じで、将棋も好きになればそれだけ集中して指せるようになるのは当たり前のことなのです。
うしゃおくんも将棋が大好きなので、将棋に対する集中力はものすごいです。
一日に10局以上ずっと指してても大丈夫です。
しかし普段の授業は退屈なようで、集中力のカケラもありません(^^;)
ただ「集中して物事を成し遂げる」という体験は、やっておいて絶対に損はないことだと思っています。
精神力が鍛えられる
これは自信を持って言えます。
鍛えられます!
まず、将棋というのは(囲碁もそうですが)、他の勝負事と違って自分から「負けました」と負けを認めるゲームです。
この「負けました」と言うだけのことですが、実際にやってみるとものすごく悔しいです!
しかも負けるのが大嫌いな子供がこれを言うのですから、言う時の精神的苦痛は相当なものです。
なかなか言えずにごまかす子もいれば、悔しくて泣き出す子も少なくありません。
かく言ううしゃおくんも最初の頃は負けるとものすごいものでした。
癇癪を起こし泣きわめき、もう手が付けられないくらい荒れていました。
もう将棋なんかやめていいよ、といつも思っていたものです。
しかしいつの間にか負けましたが言えるようになり、負けても泣きわめくことはなくなりました。(たまにこっそり泣いていますが)
また将棋大会に出たり将棋道場で知らない子や大人と何局も指すことで、だいぶ度胸がついてきたようです。
今まではあまり一人で何かをやりたがるということがなかったうしゃおくんですが、最近では一人でバスにも電車にも乗り、買い物も一人で行き、レストランで「海鮮丼のしそとワサビ抜けますか?」と堂々と聞けるようになりました(笑)
そういったことがもともと大丈夫な子もいるでしょうが、引っ込み思案で親の後ろに隠れているような子だったうしゃおくんにとってはものすごい進歩です。
もちろん年齢とともに成長した部分もあるでしょうが、将棋の影響もかなりあると思います。
礼儀作法が身に着く
これもよく言われることですね。
確かに将棋をしている最中の礼儀は身に付きます。
「お願いします」に始まり「ありがとうございました」で終わる将棋は礼節を求められます。
将棋教室や道場でも礼儀に厳しいところはたくさんあります。
あまりにも態度のひどい子は入場を断られるという道場だってあります。
そのため、将棋を指している子供たちは対局中はとても礼儀正しくできるようになります。
しかし、それが日常生活まで続くかというと、そんなことはありません。
将棋が終わってしまえばみんな普通のやんちゃな子供たちです(^^;)
なので、これはそこまで期待するほどの効果は得られないでしょう。
生涯の趣味にできる
将棋は子供からお年寄りまで幅広い年代で楽しめるゲームです。
スポーツの習い事などと違ってケガをする心配もなければ、体力が衰えてできなくなるということもありません。
逆に歳を取ってからでも将棋を続けていればボケ防止にもなるくらいです。
一度覚えてしまえば一生楽しむことができるというのが、将棋の最大の利点かもしれませんね。
またおじいちゃんが将棋を指せると、孫と勝負ができて喜んでくれたりしまよ。
うしゃおくんのおじいちゃんは最初は手加減して指していましたが、今では本気を出してもうしゃおくんに勝てなくなりました。
子供の成長ってすごいですね。
まとめ
以上、子供への将棋の教え方やメリットなどについてのまとめでした。
こうやって見てみると、将棋を習うことで得られるメリットは「将棋が好きかどうか」にかかっているといえるでしょう。
どんな習い事でもそうですが、やはり好きでないことには効果もでません。
まずは親子で将棋を楽しむところから始めてみてはいかがでしょうか。
まだ本物の将棋が難しいようなら「どうぶつしょうぎ」のようなものから始めてみるのもいいでしょう。
教えているうちに親のほうがはまってしまう、なんてこともありますよ。
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