子育て笑い話

長男(うしゃお)と長女(うしゃこ)の二人を育児中の主婦です。子育ての日常や豆知識、子育てマンガなどを綴っていきます。

発達障害のグレーゾーンに薬は必要か?|我が子への服薬を悩んだ日々

子供の発達障害(グレー)と薬の服用に関して、我が子への服薬をどうしようかと悩んでいた時のお話です。

 

最近では発達障害という言葉も普及し、小学校ではひとクラスに2~3人は発達障害の子がいるなんて言われています。

我が家の長男・うしゃおくんは特に病院で診断されたわけではないのですが、おそらくはADHDASDが混ざった軽い発達障害だと思っています。

いわゆるグレーゾーンってやつです。

日常生活に支障がでるほどでもないのですが、困った行動が目につくレベルです。

完全に発達障害だと診断されている子だと薬の服用で日常生活を送れるようになるということもありますが、グレーゾーンの子の場合は一応日常生活は送れるため、なかなか薬の服用までには至らないことも多いです。

というか、自分の子供がグレーゾンだと気づいていない親御さんも多いと思います。

 

うしゃおくんは小さい頃から本当に育てにくく、私はずっと発達障害を疑ってきました。

しかしどうしても薬の服用には踏み切れないまま、現在小学3年生。

そんなうしゃおくんのお友達が最近薬の服用を始めたのですが、その様子を見て「やはり我が家では薬はやめよう」と決意をしました。

どうしてそう思ったのか、そこに至るまでの経緯をまとめてみたいと思います。

 

うしゃおくんの特性

 

うしゃおくんは乳児から幼児くらいの時はASDの特徴がよく表れていました。

ひとつのことにこだわる、聴覚過敏、逆さバイバイ、同じところでクルクル回る、言葉がなかなか出てこない、などなど。

私はネットで色々調べては不安になり、あまりにも言葉が出てこないようなら病院で相談しようとしていました。

しかし2歳を皮切りに急に言葉が出てきたため、そのまま様子を見ていました。

 

すると逆さバイバイもなおり、聴覚過敏も改善され、そこまで気にならない程度になったので病院へと行くのはやめました。

しかし成長するとともに、今度はADHDの特徴が濃く見られるようになってきました。

 

現在のうしゃおくんの様子

現在のうしゃおくんはこんな感じです。

 

・片付けられない

・忘れ物が多い

・時間管理ができない

・嫌なことは先延ばしにする

・何かを思いついたら、それをやらずにはいられない(衝動性)

・人の話をさえぎって話し出す

・落ち着きがない

 

などなど。

他にも色々ありますが、主にこんな感じです。

それに加えて少しASDの特徴も残っています。

 

・こだわりが強く、ゆずれない

・人の気持ちに共感しづらい

・特定の音を怖がる

 

小さい頃に比べたらずっとマシになったんですけど、まだ少し残っています。

こんな感じのうしゃおくんなので、何が困るかと言えば家でのしつけに関する問題です。

 

現在私が困っている息子の問題

 

現在私が困っていることがこれです。

 

・片づけが苦手なので、机やランドセルの中は常にぐちゃぐちゃ

・すぐに文房具や物をなくす

・時間を見て急いだりすることが苦手なので、支度が遅いことが多い

・嫌なことは進んでやらないので、宿題は言わなければ絶対やらない

・落ち着きがなく、ご飯中でも寝転んだりとにかく姿勢が悪い

・やるなと言ったことを次の瞬間にやる

・いきなり飛び出したりして周りにぶつかりそうになる

 

こうやって見て見ると「小学生の男子なんてそんなもんだよ」と思うようなことばかりかもしれませんが、その度合いがひどいんです。

幼稚園児の頃ならばまだ親が手伝ってあげられることばかりですが、小学生になったら自分のことは自分でやらなければなりません。

しかし整理整頓や時間管理が苦手なうしゃおくんは、学校の準備などを一人でまかせると大変なことになります。

私は一時期本当に怒りすぎて嫌になり、本気で薬の服用を考えました。

薬を飲んだら少しは落ち着くのかな、と。

しかしなかなか決意できなかったのは、外ではまったく問題のない子だったからです。

 

幼稚園や学校での様子

 

うしゃおくんは先生や大人に叱られるのを極度に怖がる性質だったため、集団生活ではとにかく真面目でした。

言うことはきちんと聞くし、家とは違ってやらなければいけないこともちゃんとやっていました。

そのため幼稚園や学校では何も問題はなく、先生たちから注意を受けることもまったくありませんでした。

逆に家での様子を話すと「ええ~!?そうなんですか!?」「信じられません!」と驚かれるばかり。

 

そんなうしゃおくんだったので、もちろん学校で通級にすすめられることもなければ服薬をすすめられることもありません。

しかも私は散々周りから「うしゃおくん、いい子だよね。育てるの楽でしょ」と言われてきました。

そんなわけないでしょ!?めっちゃめちゃ大変だよ!!

と大声をあげたいのを我慢し、いつも「いやー、家だとすごいんだよ~」と軽く愚痴っては、またまた「ええ~!?そうなの!?」と、驚かれるということの繰り返し(^^;)

問題を起こさない分楽でいいのですが、この苦労をわかってもらえないという孤独感もありました。

 

まあ、そんな感じで集団生活をそつなくこなしているうしゃおくんだったため、薬を服用するまでもないかな、と悩んでいたのです。

 

服薬を開始したお友達

 

うしゃおくんには幼なじみの男のお友達がいます。

この子は絵に描いたような問題児で、とにかく毎日幼稚園や学校から連絡がくるような子でした。

お友達のお母さんはそれはそれは苦労の連続で、傍で見ていても本当に大変そうでした。

ただ、その子は根はとても優しい子なんです。

そして傷つきやすい。

でも行動がちょっと乱暴なので、周りからはとても誤解を受けやすい子でした。

うしゃおくんはそのお友達と唯一平和に遊べるのですが、小さい頃は遊ぶたびに泣かされてばかりいたものです。

今では一番の親友ですが。

 

そんなお友達は学校でも通級をすすめられ、薬をすすめられました。

通級には行っていますが、薬はそのお母さんもだいぶ悩んでいました。

しかしもうあまりの問題に面倒になり、とにかくしばらく飲ませてみてから続けるかやめるか判断しようと決めたようでした。

 

薬を飲み始めたお友達の様子

 

薬を飲みはじめ、そのお友達はものすごく落ち着いたらしいです。

毎日のようにあった友達トラブルもなく、毎日のように怒られていたのにそれもなく、穏やかな日々を過ごしているようです。

「今日誰にも怒られなかった!こんなの何年ぶり!」と本人が驚いていたようです。

 

本人曰く、薬を飲むと頭の中がとても静かになるようです。

ただぼーっとしてしまい、考えがうまくまとまらないということです。

そのため、授業がわからないということが起きてしまったみたいです。

お友達はもともと頭の回転が速く、計算などもパパっとしてしまう子だったので、その特性がなくなってしまったのです。

本人もそれが嫌みたいです。

 

その話を聞いて、私は「学校ってなんなんだろう」と思ってしまいました。

 

問題を起こす子供は大変だから薬を飲ませる。

薬を飲んで大人しくなったら手がかからないからそれでオッケー。

勉強ができなくなっても言うことをきけばそれでよし。

 

こういうことじゃないですか?

なんか、怖いな、と・・・。

もちろん周りの子に迷惑をかけてしまうという問題はあるでしょうが、その子はそこまでひどいことをするわけではありません。

わけもなく蹴ったり殴ったりするわけでもありません。

売られたケンカは買いますが。

逆にその子には長所ももちろんたくさんありました。

 

とにかく独創性が強く、他の子が思いつかないようなことをよく思いつきます。

積極的で、物おじせずにどんどん発言します。

モノづくりが好きで、身の回りの物で工夫して色々な物を作ります。

 

短所をおさえられた分、こういった長所も同じようにおさえられてしまいました。

発達障害の薬は発達の凸凹を平坦にしてくれる薬なので、苦手な部分が補われると同時に得意な部分が落ち込んでしまうのも当然なのです。

良くも悪くも「平均的な普通の子」を作りだしてくれるのでしょう。

 

うしゃおくんに投薬をしないと決意

 

このお友達の話を聞いて、私は「うしゃおくんにはこのまま薬はなしでいこう」と決意しました。

というのも、色々と短所のあるうしゃおくんですが、周りより秀でているところがあります。

そのうちのひとつが好きなことへの集中力です。

嫌なことはまったくやらないうしゃおくんですが、好きなことへの集中力は半端ないものがあります。

そのうちのひとつが将棋です。

うしゃおくんの将来の夢はプロ棋士なのですが(なれるかどうかはともかく)、将棋への集中力はものすごいです。

将棋道場へ行くと本当に一日中将棋を指しています。

将棋ってものすごく頭を使うので、私なんか一局指すだけでヘロヘロなんですが、うしゃおくんは平気で10局以上指しています。

 

薬の服用で私が一番心配したことが、将棋が今までより指せなくなるのではないか、ということでした。

うしゃおくんの目標である将棋が指せなくなるのでは、なんのために薬を飲ませるのかわかりません。

大人の都合のいい子になるために薬を飲ませるだけじゃないだろうか、と思ったのです。

そしてお友達の話を聞いて、うしゃおくんは薬を飲んだらこの集中力は絶対に失われる、と確信しました。

そのため、うしゃおくんには薬は使わせないことを決意したのでした。

このお友達もしばらく試してみて、あまりにも勉強ができないのがひどいようならまた考えるということでした。

 

まとめ ~薬は必ずしも悪ではない~

 

ここまで書いてきましたが、発達障害の薬は悪いと言っているわけではありません。

薬のおかげで日常生活を平穏に過ごせている人たちもたくさんいます。

ただ、うちの子の場合は「服用はやめたほうがいい」と親の私が判断した、というだけのことです。

グレーゾーンで薬を試してみようか悩んでいる親御さんもたくさんいると思います。

そういう人は、まずは子供の長所を思い浮かべてみるといいでしょう。

だいたいこういうグレーゾーンの子は、短所と一緒に得意分野も人より秀でていることが多いものです。

その得意分野と苦手分野を天秤にかけて、得意分野が多少減ってしまったとしても苦手分野をなくしたい、ということであれば薬を試してみるといいと思います。

ただ我が子のように「得意分野が将来の夢と直結している」、という場合はあまりおすすめはしません。

が、親が子供のことでストレスがひどいようなら一度は試してみてもいいかもしれません。

一度薬を飲んだからといって、一生飲まなければいけないというわけではありませんしね。

あわなければやめたっていいのですから。

今は服薬をやめようと決意したうしゃおくんですが、将来もし人間関係や仕事関係で悩んだ場合は、薬をはじめることもあるかもしれません。

ただ薬を始めるにしても、必ずメリットもあればデメリットもあるということを頭にいれ、子供や親にとって一番いい選択ができるといいなと思います。