葬送のフリーレンの漫画13巻と同時に、公式前日譚小説が発売されましたね。
あまり漫画の小説は読まないのですが、フリーレンは前日譚の前日譚が気になって買ってみました。
結果、買って大正解!!
まさか小説でこれほどまでにボロボロ泣くとは・・・。
小3の娘はカンネとラヴィーネの話を何回も読んでましたね。
では、葬送のフリーレンの小説〜前奏〜の簡単なあらすじと、感想を紹介します。
内容のネタバレがあるので、ネタバレが嫌いな人は気をつけてください。
第1話 やすらぎの日々
この話は、フェルンがフリーレンに出会う前、ハイターと2人で暮らしていたときの話です。
フェルンは早く一人前になりたくて、毎日毎日魔法の修行にいそしみます。
そんなとき、ハイターが風邪で倒れてしまいました。
フェルンは薬草を探しに、ハイターに黙って1人で山の中へと入っていきます。
そこで薬草を見つけますが、迷子になり、蜂に襲われと散々な目にあいます。
さらに、せっかく苦労して手に入れた薬草も落としてしまいました。
フェルンは泥だらけになりながらも何とか家までたどり着き、これまでのことを正直に話しました。
ハイターは一人前になりたいと焦るフェルンの頭を優しくなで、フェルンはとても良くやっていると褒めます。
そして、2人で楽しい食事の時間を過ごすのでした。
感想
フェルンのハイターに対する想いがひしひしと伝わってきますね。
フェルンはハイターに引き取られてから幸せだったけど、でも頑張りすぎて子供らしい生活を送れなかったのかな、とも思います。
だからこそフリーレンと旅するようになってから、怒ると子供のようにむくれたり、お菓子食べたいと我がまま言ったり、子供じみた言動が多くなったのかもしれませんね。
しかし、ハイター。
フェルンの前では穏やかすぎて若いときとは別人のようですが、ブロッコリーを残す、ブロッコリーには栄養がないとしゃあしゃあと嘘をつくとこなどは、歳をとっても代わりませんね(笑)
そして、第1話で出てきた新情報。
ハイター病死ではなかった!
原作では病死か老衰かはっきりしなかったハイターですが、小説の〜前奏〜で「病気ではない」と明記されていました。
どうやら歳による自然な衰えだったようです。
また、原作で「酒はやめた」と言っていたハイター。
フェルンを引き取ってすぐにやめたようですね。
あと、フェルンが小さいときに髪の毛につけていた赤いリボンは、ハイターが買ってくれたもの。
杖はずっと大事にしてるけど、リボンは大きくなって処分しちゃったのかな?
もしかしたら、大事に取ってあるのかもしれませんね。
第2話 英雄になった日
アイゼンと喧嘩別れしたシュタルクが、アイゼンのもとを飛び出して村の英雄となった経緯が描かれた話です。
シュタルクはアイゼンと別れて小さな村へとたどり着き、しばらくそこに滞在することにします。
しかし、村に着いてすぐ、紅鏡竜が襲ってきます。
シュタルクは村の人々を救うために竜の前に立ちはだかり、そこで死を覚悟しました。
しかし、竜はしばらくシュタルクを威嚇した後飛び去り、それから村を襲わなくなります。
その日から村の英雄となったシュタルクでしたが、ヴァンスという老人だけはシュタルクを認めていませんでした。
ヴァンスは竜が去ったのは偶然で、シュタルクは本当は竜を倒せないと考えていたのです。
まさにヴァンスの言う通りだったシュタルクは申し訳ない気持ちになりつつ、嘘を本当に変えるために修行を続けます。
そんなある日、狩りに出かけたヴァンスが山から戻ってこないという事件が起きます。
シュタルクはヴァンスを探し出し、彼をおぶって村へと運びます。
そして、ヴァンスの言うことはすべて当たってると白状し、自分の身の上を話します。
ヴァンスは不遇な人生にも腐らないシュタルクのことを強いと感じ、ようやくシュタルクを認めました。
その後、シュタルクは見事竜を倒し、フリーレンやフェルンとともに村を去るのでした。
感想
シュタルクが・・・誰かに嫌われてる!!
どこにいっても誰からも好かれるシュタルクが敵意を向けられている姿、とても新鮮でした。
まあ、最終的にはやっぱり仲良くなるけど(笑)
そして、この話でわかった新事実。
アイゼンはしょっちゅうシュタルクの様子を見に来ていた!!
アイゼン、なんて不器用な男なんだ〜〜〜〜!
もう、この師弟は絶対に再会すべきでしょ。
最終回までには必ず再会してほしいものです。
お願いだから、シュタルクが帰ってくるまでアイゼン死なないでくれ。。。
第3話 二人なら
カンネとラヴィーネの、魔法学校時代の話です。
カンネとラヴィーネは、学校で魔物討伐の実習を受けることになりました。
水源に乏しい実習地では、カンネの得意魔法である「水を操る魔法(リームシュトローア)」は役に立ちません。
それでもラヴィーネはカンネとコンビを組み、魔物の討伐に出かけます。
2人は協力して魔物を一体倒しますが、それはとどめを刺したラヴィーネのポイントにしかなりません。
そこで、2人はカンネのポイントを得るために、もう一体魔物を探しに行きます。
しかし、もう少しで倒せるというところで、獲物を横取りされてしまいました。
その後、2人は兎型の魔物に出会います。
その魔物は強力な魔物で、学校の教師が助けに入りました。
しかし、教師ですら兎型の魔物には勝てず、魔物は教師を倒してカンネとラヴィーネを追いかけてきました。
2人は死にものぐるいで兎型の魔物を倒し、それを知った教師は驚きながら「あなたたちなら高みにたどりつけるかもしれない」と言います。
カンネとラヴィーネは、まだ自分が一級魔法使いになるイメージを持てていませんでした。
しかし、2人一緒であれば、そのイメージを思い描くことができるのでした。
感想
カンネとラヴィーネの口喧嘩を思う存分堪能できる話(笑)
主役は2人だけど、どちらかといえばラヴィーネ視点で書かれています。
この話を読んで、実はラヴィーネのほうがカンネに依存してるんだな、と思いました。
カンネのほうがあっさりしてる感じ。
そして、カンネは水がない場所では一般攻撃魔法(ゾルトラーク)を使っていることも判明。
また、水筒の水を使って、相手の鼻と口をふさぐというえぐい攻撃もしていました(^^;)
カンネとラヴィーネはまだまだ半人前ですが、2人で成長した姿が楽しみです。
って、原作に再登場のチャンスはあるのかな・・・?
でも原作者の山田鐘人さんもお気に入りのキャラだって書いてたし、もしかしたらチャンスがあるかもしれない!
第4話 放浪する天秤
ヒンメルと戦う前からヒンメルにやられて復活するまでのアウラの話です。
新たな勇者が生まれたと聞いて、アウラはその勇者一行も不死の軍勢に加えようと考えます。
そして、その新たな勇者・ヒンメルたちがやってくるのを待ち、交戦します。
ヒンメルは操られている死者たちを斬ることができず、攻めあぐねます。
しかし、フリーレンとヒンメルの連携攻撃にやられ、アウラは一時撤退を選びました。
それからアウラは、体が完全回復するまでひたすら潜伏します。
やることもなく暇なアウラは、気まぐれに散歩に出かけました。
そこで、目が見えない1人の少年と出会います。
少年はアウラが魔族だと気づかないまま、楽しく会話を交わしました。
アウラは暇つぶしに、しばらくこの少年の相手をすることにします。
そうこうしているうちにヒンメルが死亡し、それと同じ頃にアウラは完全に回復しました。
手始めに少年の住んでいる村を滅ぼそうとしたところ、他の魔族に先を越されてしまいます。
アウラはその魔族を服従の天秤で手下にし、人間の討伐隊がやってくるのをワクワクしながら待ちました。
感想
アウラと人間の少年の交流という、珍しいシーンが見れる貴重な話でした。
アウラは少年と仲良くなって、人間にも興味を持ち始めます。
でも、ただそれだけ。
人間に情が移るとかは一切なく、少年が死んだことに悲しみの感情も抱きません。
ただ、他の魔族が村を襲ったとき、死体の中に少年の姿がないか探しているんですよね。
これがどんな感情なのか、読み取るのがなかなかに難しいものがあります。
それにしても、アウラの話の中にマハトが登場するとは思いませんでした。
どうやら同じ七崩賢でも、マハトのほうがかなり格上みたいですね。
そりゃ、フリーレンも負けるはずだ。。。
第4話での新事実。
アウラはヒンメルから隠れていたわけではなかった!
復活したのがヒンメルが死んですぐだったから、ヒンメルが死ぬまで待ってたのかと思ったら、ただ単に回復するのがヒンメルの死亡時期と重なっただけだったんですね。
もうひとつ、面白かった新事実。
リュグナーは意外とアウラのことを持て余していた!(笑)
リュグナーってアウラに献身的に仕えてるのかと思ってたら、「こいつめんどくせーな」的な感じで従ってたんですね。
そして、リーニエとドラートはアウラというよりもリュグナーのほうに従ってる感じ。
アウラさま、ちょっとかわいそう(^^;)
第5話 葬送
フリーレンはフランメと一緒に馬車に乗っていました。
この馬車がどこに向かっているかわからないまま、フリーレンはフランメとの思い出話に興じます。
しばらくすると馬車が止まり、フランメが降りました。
フリーレンも続いて降りようとすると、それをフランメに止められます。
フランメは微笑みながら「じゃあな」と言い、フリーレンは遠ざかる師匠の姿を眺めます。
フランメの姿が見えなくなって1人になったフリーレンは、壁にもたれて昼寝をすることにしました。
目が覚めると、そこにはヒンメルがいました。
フリーレンは、先程までフランメの夢を見ていたことを思い出します。
不思議な夢だったと思いつつ再び寝ようとするフリーレンを、ヒンメルが起こします。
相変わらず騒がしい仲間たちを眺めながら、フリーレンはまたもや馬車の行き先がわからない奇妙な感覚に襲われます。
結局行き先がわからないまま、ヒンメルが馬車から降りました。
続いて、ハイターが馬車を降ります。
フリーレンは薄々、この馬車が何なのかを察します。
アイゼンはまだ馬車に乗っていましたが、フリーレンは彼もまた自分より先に降りることをわかっていました。
どこか寂しそうなフリーレンに、アイゼンは馬車の先を見るよう言います。
そこには、紫の髪の少女と、赤い髪の少年がいました。
その先にはタバコをふかす男性が。
その先にも、さらに先にも、大勢の人たちが立っているのが見えます。
フリーレンはこれから新たに馬車に乗る人たちを見て、胸の高鳴りを覚えました。
フリーレンは御者に起こされ、目を覚まします。
寝ぼけているフリーレンに、御者は王都に着いたと告げました。
フリーレンは仲間たちと別れてから50年ぶりに、王都に戻ってきたのです。
すっかり様変わりした王都を歩くフリーレンは、自分を呼ぶ声に気づきます。
すぐに誰だかわかったフリーレンは、懐かしさを覚えながら振り向くのでした。
感想
控えめに言って、ボロ泣きでした。
いや、泣くっしょ!こんなん!
もうね、馬車から1人ずつ降りていくとこがさ、もうさ。。。
タイトルの「葬送」にふさわしい話でした。
最初はただ単にフランメとの思い出話だと思って読んでたのにさ。
まさかの展開でしたよ。
しかし、この話。
原作で気になってた伏線?の情報が満載でしたね。
まず、フランメの命乞い。
原作に「師匠(せんせい)の命乞いは見慣れている」というフリーレンのセリフが出てきましたが、この命乞いがどういうものかの説明はありませんでした。
その答えが、まさか小説で明かされるとは・・・。
ネタバレすると、フランメはフリーレンとの模擬戦で、油断を誘うためにしょっちゅう命乞いをしていたようです。
なるほど。フランメらしい戦い方ですね。
さらに、フランメがフリーレンに色仕掛けを教えたシーンまで!
もう、ファンサービス満載の話でした。
まとめ
葬送のフリーレンの小説〜前奏〜の簡単なあらすじネタバレと感想をまとめました。
葬送のフリーレンの小説〜前奏〜は、原作の雰囲気がよく出ていて、キャラたちの性格も原作のままで、本当に素晴らしかったです。
原作には出てこない新情報もたくさんで、ファンなら楽しめること間違いなしです。
個人的には、最後の「葬送」をぜひ読んでいただきたい。
もちろん他の話も楽しいものばかりです。
葬送のフリーレンの小説〜前奏〜をまだ読んだことがない人は、ぜひ手に取ってみてください。